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ギリシャで暮らした5年間の中で、特に生活に密着した出来事などを書き連ねてみましたので、
どうぞ、ごゆっくりお楽しみくださいませ(*^_^*)

(11)2009年4月3日(金)号 ギリシャのイースター「パスカ」

ヤーサス!早いもので、もう新年度が始まりましたが、いかがお過ごしでしょうか?ギリシャでの新年度といえば9月を指すと思うのですが、今回はギリシャのイースター「パスカ」について書きますね♪

春分後の最初の満月の次の日曜日が復活の日です。(ギリシャでは4月の第2週になることが多いです。)信仰心の厚いギリシャ人にとってキリスト復活を祝うお祭りは、1年のうちでも最大の楽しみになっています。この頃は復活の名にふさわしく、丁度地下から新しい芽が出てくる季節でもあります。野原はポピーの花盛りとなり「春爛漫」という感じです。気の早い人は泳ぎます(笑)。
復活の前の週は全て「大月曜日(メガリデフテーラ※)」「大火曜日」というふうに呼ばれ、教会では毎日種々のミサが行われます。この1週間はもっとも厳しい断食が行われます。
パスカに付きものは、赤く染められたゆで卵「イースターエッグ」です。お互いに卵の頭をぶつけ合って祝う習慣があります。卵の赤は人間の厳罰をあがなったキリストの血を表します。古くから卵は「天地創造の象徴」と考えられており、復活の象徴として用いられるようになりました。
大金曜日の午前9時にキリストは処刑台に上がり、午後3時に亡くなったそうです。この時地上では、神殿の幕が裂け地震が起こり岩が割れたと言われています。
教会ではキリストの死を悼む悲しみのミサが午後8時頃から行われ、ミサの後は花で飾られた棺を先頭に悲しみの色、黄色いローソクを持った人々が唄いながら、街を静かに行進します。
ちょうどパスカの時期、家族で「コルフ島」に旅した時に、ローソクを持ってこの行進に参加したことがあるのですが、子ども心に何か厳粛な感じがしたことを覚えています。まあ、キリスト復活の意味も全く理解していませんでしたが(苦笑)。
また、この祭りの時期には、あちこちの庭で男の人達が「羊の丸焼き(ぐるぐる回しながらバーベキューのように炭火で焼きます。)」をしている光景が見られます。女の人達はパスカ特製のパンを焼き、パーティーの準備で大忙し。



春の日差しを浴び、料理を味わい、歌ったり、踊ったり、祭りを楽しみます。故郷に帰り家族や友人との再会を喜び合い、パスカの豪華な食事を前にして1年の無事と豊かな実りを祈る、日本のお正月のようなものですね。
国内外を含めると約15回!も引っ越している私にとって、ギリシャはもっとも大切な故郷の1つです。帰りたくてもなかなか帰ることのできない故郷ですが、先日「アテネ日本人学校」の同窓会(9名)が行われ再会を喜び合うことができました。私達にとって少し早めのパスカだったのかも知れません。時間を忘れて色々なことを語り合い、とても楽しいひと時でしたが、時間を忘れたため終電を逃し、深夜2時過ぎに帰宅した頃には、すっかり現実に引き戻らされましたが(泣)。

エフカリスト&アディオサス!
※メガリ(メガロ)は大きいという意味のギリシャ語です。



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