店主コラムは「ギリシャを身近に感じて頂き、その上でギリシャの商品をお届けできれば」という思いから、
当店のメールマガジン「ルルーディア通信」にて連載しておりました人気コーナーです。
(無料メールマガジンの配信を希望される方は、こちらから♪

ギリシャで暮らした5年間の中で、特に生活に密着した出来事などを書き連ねてみましたので、
どうぞ、ごゆっくりお楽しみくださいませ(*^_^*)

(28)2010年11月19日(金)号 ギリシャ語の先生 クリオさんと仮装パーティー「イ・アポクリア(カーニバル)」

ヤーサス!おとといぶりです(笑)。横浜は「曇り」で最高気温も15℃を下回り、すっかり冬の装いですが、みなさまの街は、いかがでしょうか?
10月はコラムをパスしてしまいましたが、今月はしっかり書きましたよ!母が(苦笑)。
私は「なるほど、こんなことがあったのか~。ふむふむ。」と思いながら入力しただけですが(苦笑)、2カ月分のボリュームがある長編ですので、お楽しみくださいね♪
お題は「ギリシャ語の先生 クリオさんと仮装パーティー」です。どうぞ~。

ギリシャに住んでいた5年間の内、3年ほど週1のギリシャ語レッスンを受けていました。
先生はと言うと、代々日本人の間で受け継がれてきた「クリオさん」。それはそれは騒々しい、せっかちな老婦人です。
たいがいは時間ぎりぎりに走るように部屋に入ってき、「カリメラ!(おはよう)ティ カネテ?(ごきげんいかが?)と早口でまくしたて、早速レッスンの開始です。
初級、中級と3冊目の教科書の途中で帰国となってしまいましたが・・・。
初めは友人と3人のグループレッスン。帰国転勤などでメンバーは少しずつ変わり、最後は私一人になってしまいました。先生からはギリシャ語の他にギリシャ料理も教わりました。「ムサカ」は絶品でしたよ。
宿題も結構真面目にやったのを覚えています。おかげで生活に最低限必要な会話はできるようになったかな~、と思います。

クリオさんは大のパーティー好き。特に「イ・アポクリア(カーニバル)」の時の仮装パーティーは力が入っていましたね。
私達生徒も、もちろん招待してくれましたが、正直気が重い。何を着たらよいのか悩んだ末、買うのはもったいないし、手持ちのもので何とかと思い、友人はチャイナ服、私はと言うと、ジージャンにジーンズ、カウボーイハットに子どものおもちゃのピストルを腰にと、気分は「カウボーイ」。
もう一人の友人は?どう考えてもどんな衣装だったのか思い出せない・・・。こわいこわい、ボケが始まっている(苦笑)。
クリオさんはと言うと、着物姿、とてもとても女性とは思えない、おぞましい姿。帯もメチャメチャ。
ちなみに足には靴でした(笑)。
本人は上機嫌でしたけどね。
ご主人はと言うと、網タイツのバニーガールの格好。これまた思い出したくないほど、おぞましい!普段は立派なサラリーマンなのです。
他の友人達も思い思いの仮装をし盛り上がっていましたね。なりきって楽しんでしまえるギリシャ人を、ちょっぴり羨ましく思ったものでした。
最高の盛り上がりはギリシャダンス。みんなで輪になって踊ります。とけこもうとしても、どこかでシラーとしている自分がいる。やっぱり日本人ですね。「ご主人もどうぞ。」と必ず誘ってくれるのですが、主人たちは絶対に来ませんでした。見習ったらいいのに、と思いましたけどね。
その後も毎年、招待してくださったのですが、何を着たのか全く覚えてないのです。
私の記憶から消してしまいたいような衣装を着たのか???



私が帰国して7年後、ギリシャに里帰りしました。足が不自由なのに、足を引きずり遠いところからホテルまで訪ねて下さいました。相変わらず忙しそうに30分ほど、お茶をして台風のように去って行きました。
その再会が彼女との別れになってしまうなんて!
数年後、病気で他界されました。
クリオさんはギリシャの思い出の中の大切な存在です。
一緒にレッスンを受けていた友人は「中央のアゴラ(市場)に行きたい!」というギリシャ語のフレーズだけは、今でも覚えているらしいです。それだけ頻繁に使っていたということですね。
中学生の英語レベルでしたが、手紙も書けていたのに、すっかり忘れてしまっています。
また里帰りしたら思い出すのでしょうかね~。
いつか試してみたいと思っています。
クリオさん、楽しい思い出をエフハリスト・パラポリ。

※イ・アポクリア(カーニバル)
カサリ・デフテラ(清月曜祭)の前の3週間を指します。断食の始まる前、精一杯仮装パーティーなどをして楽しみます。

エフカリスト&アディオサス!



ギリシャ店主コラムのトップページ こちらからどうぞ♪



   ホーム  お買い物はこちらからどうぞ